皮膚は人体において最も大きな臓器です。詳しく見てみると、皮膚にはあなたの想像を遥かに超えることが起きていると気がつくことでしょう。
皮膚に関する驚くべき7つの真実
皮膚は人体において最も大きな臓器です。普段私たちが目にしているのは、そのほんの一部である表面のみで、皮膚が本来どんな働きをしているかなんて、考える機会はあまりないですよね。
詳しく見てみると、きっとあなたの想像を遥かに超えることが起きていると気がつくことでしょう。
驚くべき真実その1:実に多くの層がある
基本的に皮膚は「表皮」、「真皮」、そして「皮下組織」と、3層の組織で成り立っています。
しかし、実際には表皮と真皮には多くの層が存在し、皮膚内部の層の合計はなんと37層にも及びます。
表皮には5つの層が存在します。
下から順に、
- 基底層(きていそう)
- 有棘層 (ゆうきょくそう)
- 顆粒層(かりゅうそう)
- 透明層(とうめいそう)※手のひらと足の裏のみ
- ターンオーバーが起きる10~30の薄い皮膚角質層
となっています。
真皮は表皮よりもずっと厚みがありますが、実は、「乳頭層」と「網状層」の2つの層だけでできており、皮膚の最も深い部分である皮下組織はひとつの層だけでできているのです。
驚くべき真実その2:皮膚には2種類のタイプがある
身体の皮膚はすべて同じように見えるかもしれませんが、実は「有毛部」と「無毛部」の2種類の皮膚があります。
有毛部には、体温調節や汗をかくのに大切な毛包があり、身体の大半は毛が生えている皮膚で覆われています。
無毛部は、手のひらや足の裏などの部分に見られます。
2種類の皮膚の明らかな違いは、接触による反応です。無毛部への接触ではより感覚的な情報を、有毛皮膚への接触では感情的な情報を与えるのです。
驚くべき真実その3:皮膚の厚さの90%は真皮
皮膚の中央部分は「真皮」です。厚さはわずか1.5〜4mmですが、皮膚内部の層では圧倒的に厚い層です。これは真皮が、水分を蓄えたり栄養を運んだりする皮膚本来の機能の大部分を担う部分だからなのです。しかし機能上の理由から、手のひらと足の裏の皮膚だけは真皮とほぼ同じ約1.5mmの厚さの表皮に覆われています。
驚くべき真実その4:皮膚の中には何㎞もの血管が通っている
皮膚の主な機能のひとつに、ビタミンDのような栄養素が身体全体に運ばれるよう血液を循環させる働きがあります。これは皮膚の真皮層の血管を通して行われます。この長い血管のネットワークは約17.7㎞にも及ぶのです。
驚くべき真実その5:皮膚には1兆もの「常在菌」が存在する
人の身体には無数の「常在菌」が存在しており、その多くは身体に有益なものです。皮膚は外界にさらされる一番大きな器官ですので、多くの菌がいることは不思議なことではありません。しかしその数なんと1兆をも超えると聞くと、人々は驚くことでしょう。すべてを合わせると1000種類以上もの菌が常在しているのです。
もうひとつ面白い真実があります。それは、体臭は汗そのものから発生しているのではないということです。実は、臭いは汗に含まれる脂肪族化合物を菌が分解する際に出ているのです
驚くべき真実その6:メラニンを生成する細胞の数は誰でも同じ
肌の色は皮膚内部のメラニン生成の副生成物です。メラニンは紫外線などの刺激を受けるとメラノサイトと呼ばれる細胞から作られます。
すべての人にはほぼ同じ数のメラノサイトがあり、これは全皮膚細胞の約7%に相当します。
肌の明るさは、メラノサイトの数ではなく、メラノサイト細胞がいかに活発であるかによって決まります。
メラノサイトが活発なほど、より多くのメラニン細胞を生産し、それだけ肌の色は暗くなります。生まれつきメラノサイト細胞を持っていない人は、白斑として知られる状態を引き起こします。
驚くべき真実その7:皮膚は防水機能つきである
皮膚には外界から身体の内部を守るために、表皮から液体が侵入するのを防ぐ働きがあります。
皮膚細胞は、脂肪酸、脂質、およびセラミドによって囲まれていて、これにより水分の侵入をブロックしています。この特殊な構造により、体内からの水分の蒸発も防ぐこともできるのです。
皮膚はこのように様々で複雑な働きをしているのです。日々の生活でたまに思い出してみてはいかがでしょうか。